誉田哲也さんのプラージュを読みました。大きな感動というより静かにジーンとくるものがありました。
一度罪を負った者は死ぬまで赦されないのか。
前科があれば就職は難しい。だか社会復帰するには仕事をしてお金が必要なんですよね。
(あらすじ)
旅行代理店で営業をしていた貴生は覚せい剤使用により、仕事を失い、執行猶予中だった。さらにアパートの火事で住む場所さえ失った。
保護司の小菅の紹介でシェアハウスに。バス、トイレは共有、食事は希望者にはオーナーが用意してくれるという。ただ部屋のドアがなく、カーテンのみだった。
シェアハウスは前科のある人が社会復帰するためのボランティア施設だった。
とりあえず見学してみた貴生は住人の紫織に出会い、入居を決めた。
家賃を支払うため、就活を始めるが、どこも採用してくれるところはなかった。
黙っていればわからないと安易に考えていたら、実際はみんなが知っていたのだ。
一方ある記者はシェアハウスの住人Aを探していた。彼は殺人罪で1審は有罪、2審は当時付き合っていた彼女の証言で無罪になった。シェアハウスにいることをつきとめるまで、数年かかったが。
シェアハウスに潜入して彼のことを調べて本にするつもりだった。
だがオーナー始め、温かさに触れ、変わっていく。
住人の美和が拉致されたと聞き、全員で助けに向かう。
美和を救出できたものの、美和は大きな傷を負ったが命は助かった。記者の彰は腹を刺され救急車で運ばれる際に、話してはいけないとの注意も聞かずに「プラージュ、うってくれ」と何度も言っていた。
彰は命を落とし、みんなで荷物を片付けるときに、パソコンをどうしようとなった。
中身が入ったまま、捨てるわけにも行かず。見てみることに。
パスワード・・・やがてうってくれとは売ってくれではなく打ってくれではないかと思い、プラージュと入れると
開いた。そこには殺人事件のこと。Aのこと。オーナーの潤子のこと。そして衝撃のヒミツが書かれてあった。ありがとう、プラージュ。私の心の海辺(プラージュ)と締めくくられていた。
貴生はやっと仕事を見つけコインパークの営業マンに。すべてを話し、給料がいただければどんな仕事でもする。やり直したい。身を粉にして死ぬ気で頑張る1ヶ月試しに使ってほしい。いつでもくびになる覚悟で・・・頭を下げたら採用してくれた。
*余談ですが、月9のドラマの石原さとみさんの役名も潤子さんです