薬丸岳さんの神の子(上・下)を読みました。何だかタイトルだけだと、宗教?見たいですが、久しぶりに読み応えのある夢中になれる作品に出会いました。
暇をみつけては読み、寝る間も惜しんで読みました。夜中にこっそり懐中電灯をつけて読んだり・・・(気づかれて叱られないように)
(あらすじ)
殺人事件の容疑者として逮捕された少年には戸籍がなかった。
少年鑑別所に入所しているときに戸籍を取得。「町田博史」と名づけられる。入所時の知能検査で信じられないIQ(知能指数)を記録した。少年院に入っている約1年で、高校卒業認定試験にも合格した。
彼には直感像記憶といって、見たものを写真撮影したように記憶に焼付け、そして分からない言葉の意味を調べて知識にしていくという。
法律やパソコンの知識はあるが小学生に分かることですら、わからないものがある。学校に行ったことがなかったから。
彼の母親は戸籍にいれると学校に行かせ、学費を払わなければならないので籍にいれなかった。
それに母の男には虐待されていた。
14歳のときに家を出て生きるために、犯罪組織に入った。殺人容疑で少年院に入る。
「おれはこの頭だけを頼りに今まで生きてきた。これからもそうさ。生き残るためには手段を選ばない」
少年院に入る前に組織に「これから自首するからもうそっとしてほしい」と電話する。だが組織は放っておいてくれなかった。少年院に少年を送り、彼を脱走させようとする。
やがて少年院を出所し、大学に入学、学校に通いながら、前原製作所で働く。
亡き社長の後、妻が引き継ぎ、娘と2人で住んでいた。組織は彼が大切にしているものを次々と壊していく。
少年院で町田の担当だった内藤は教官をやめて、組織を調べる。そして前原製作所の娘の楓は町田に恋し、自分にできることをしたいと彼が唯一心を許し、ずっと探している稔を探しに行く。稔に近づくにつれ、組織に近づいていく。
楓は無事に稔を探し出すことができるのか?組織と彼の対決はどうなるのか?
:*このブログで薬丸さんの作品「死命」と「友罪」も紹介しています。