百田さんは映画化された「永遠の0」と「海賊と呼ばれた男」(本屋大賞受賞)により世界一受けたい授業に2回出演されました。本屋大賞受賞後に心血を注いだ小説だそう。
[あらすじ]
幼い頃に両親と妹を火事で亡くした木山慎一郎は、友人も恋人もいない。仕事場と家の往復で一日中働いて夜寝るだけの日々を送っていた。夢も自信もない孤独な人生だった。その日までは。
慎一郎には人の死が見えた。子供の頃にもそういう時期があったが、その能力はなくなり30年ぶりに能力が復活した。死が近い人は手が透明になって見える。さらに近くなってくると、顔が消えてくるのだ。
慎一郎はたまらなくなり、出会った4人の命を助けた。助けると相手の透明だった手が普通に見えるようになる。
ある日駅のホームで自分と同じ能力を持つ黒川と出会う。黒川は神の領域になるので人の命にかかわってはいけないという。
「命を助けるのは勝手だが、ヘタをすれば、お前の寿命を縮めることになる。もしかしたら助けることによってお前が死ぬかもしれん。」
もう1人同じような人物を知っていたがその人は亡くなったという。
慎一郎は真面目な仕事ぶりを認められ、勤務先の社長を助けたこともあり、独立を勧められる。仕事も順調。
4人めに助けた桐生葵と恋人になった。初めての恋人と呼べる人だった。
幸せに酔いしれる慎一郎。今までになかった幸福を失いたくない。それで人を助けることはやめると決意する。
だが葵とデートしていても手の透けてる人に出会ってしまう。
気分が落ち込んで食欲もなくなる。
ある日、不自然なほど多くの手が透けている人達を目撃する。
何かあると思った慎一郎はその日に東京にいなければいいと考え、葵を旅行に誘う。
自分ばかりが幸せで申し訳ない気持ちと助けたい気持ちと彼女のために生きたい気持ちで葛藤する。
最後に選ぶのは多くの命(死)か彼女のために生きる自分の命か(愛)・・
大切な人の死が視えたらあなたはどうしますか?