くろちゃんにあった翌日土曜日。
事前に許可をもらって母に面会に来てもらいました。
親子か夫婦のみなので、本来は面会できないんです。
兄弟もダメ。
義母に当たるので。1親等ではないですし。
1人でも実家に行って、母の様子を見に行ったりしてたんです。
だからその辺を説明して。
本人の両親はもう亡くなっていますし。
母は「自分より先に逝かないでくれ」と話したことがあったそうで。
1回だけということで許可をもらいました。
私が連れて行くと、長時間一緒にいられないので、時間差で母と姉とで来てもらいました。
病室でベッドを起こして「ばばが来たよ」と声をかけました。
病室には1人しか入れないので、私はいてはいけないと看護師さんに注意されたので、廊下に出ました。
母に「顔だけ見て行って」と声をかけると、「寝てるからダメだよ」と言って、廊下に出てきました。
「今、医学は進んでいると言うけれど、何とかならないんか?」と母。
「もうダメなんだよ」
「母さんと同じになっちゃった」
母に抱き着いて泣きました。
父が胃がんで亡くなる前は、同じようにモルヒネで寝ている状態でしたので。
「よく聞こえない」
マスクをしているせいか聞こえなかったようで。
「母さんと同じになっちゃった」
「一緒には逝けないんだよ」
「頑張れ」
いつも母を慰めたり励ますのは、私の役目だったんだけど。
私はそういうのが上手だと言われていたんです。
母の言葉が嬉しかった
後で、看護師さんから病状説明があった時に、会うことはできなかったけど、私のためにはよかったと思いますと。
おそらく会話が聞こえていたんでしょう。
私の気持ちがわかると涙ぐんでくれました。
頭ではわかっているのに、心がついて行かないと私が言ったことに対してです。
「他の病棟よりお辛いお仕事ですよね」
私の方がお辛いでしょうと。
それ以上お話すると、看護師さんも辛いだろうからと、「猫みたいに逃げていいんですよ」と声をかけました。
「逃げさせてもらいます」
まさか看護師さんの涙を見ることになろうとは、思いもしませんでした。
1年前に書いた記事です。